
おはようございます。代表の後藤です。
今回は、自社のコーポレートサイトにAIチャットボットを導入した話をします。
これ、バイブコーディングで数日で自社制作しました。
ただ、今回一番お伝えしたいのは「作った事実」ではなく、「AIに全部任せてはいけない」という設計の考え方です。
なぜチャットボットを入れたか
きっかけはシンプルで、「お問い合わせフォーム」のハードルの高さです。
皆さんもWebサイトを見ていて「ちょっと聞きたいことがあるな」と思うことありませんか? でも、わざわざフォームに名前とメールアドレスを入れて、文章を考えて送信するのはなかなか面倒ですよね。電話なんてよりハードルが高い。
結果、「まあいいか」で離脱してしまう。非常にもったいない機会損失です。
そこで、サイトの右下に「24時間いつでも質問できるチャットボット」を置けば、問い合わせの手前にある「ちょっと聞きたい」を拾えるのではないか。つまり、CVRを上げることができるのではないか?と。
で、作りました
サイトの右下に吹き出しアイコンが出ているので、ぜひ実際に触ってみてください。
構築にかかった期間は数日ほどです。
ただ、作り始める前に一番時間をかけたのは「何をさせて、何をさせないか」の設計でした。要件というよりは、考え方ですね。
そして、私が決めたのはこの4つです。
1. サービスに関する質問には24時間自動で答えてほしい
問い合わせフォームの手前で、サービス内容や進め方についての疑問を解消したい。
2. 嘘をつかない
架空の実績や、確定していない金額を勝手に言わない(これが一番重要)。
3. 悪意ある入力に乗っからない
企業のサイトに設置する以上、変な入力をされてもおかしな回答をしないようにしたい。
4. 最終的にお問い合わせフォームへ誘導する
チャットボットで完結させるのではなく、詳しい相談はフォームへ繋げる導線にしたい。
で、この中で一番の難所が「2. 嘘をつかない」でした。
AIに全部任せると何が起きるか
ここが今回一番お伝えしたいポイントです。
以前の記事でも書きましたが、AIは経営者の強力な武器になります。ただし、企業サイトのチャットボットに関しては「AIに全部任せる」のは危険です。
なぜか。AIはたまに嘘をつくからです(ハルシネーションを起こす)。
これは性能が悪いわけではなく、生成AIの構造上の特性です。「もっともらしい回答を生成する」のがAIの仕組みなので、事実かどうかのチェックは苦手。
例えば、こんなことが起こり得ます。
「弊社は100社以上の導入実績があります」→ 実際はそんなにない
「その案件であれば50万円ほどで対応可能です」→ 見積もりもしていないのに
「他社様と比較しますと、弊社の方が〜」→ 競合批判をし始める
これを自社サイトで起こしてはならない。
「いや、プロンプト(AIへの指示文)で『嘘をつくな』と書いておけばいいのでは?」
と思いますよね。
でも、結論としてはプロンプトだけでは不十分です。AIはプロンプトの指示を無視することがあります。悪意ある入力によって指示を上書きされるリスクもある。
だから「仕組みとして防ぐ」必要がある。これが今回の設計の核心でした。
「AIに全部任せない」設計
では、具体的にどうしたか。
「AIに答えさせない」領域を決める
まず、AIに自由に回答させるとリスクが高い領域を洗い出しました。
- 実績などに関する質問:AIが架空の数字を答えるリスクがあるので、あらかじめ用意した事実だけを返す定型文で対応
- 価格などに関する質問:金額を確約されてはならないので、「問い合わせフォーム」に誘導
- 競合などに関する質問:AIが他社を批判し始めるのは企業としては避けるべき
つまり、「AIに答えさせる質問」と「AIを通さず定型文で返す質問」を分けているわけです。
AI回答もチェックを入れる仕組み
さらに、AIに答えさせる質問についても、回答をそのまま表示するのではなく、表示する前にチェックを入れています。
万が一AIが指示を無視して架空の実績や金額を生成してしまった場合、それを検知して別の回答に差し替える仕組みです。
いわば二重の安全装置。
入口でフィルタし、出口でもフィルタする。これで「AIが嘘をつく」リスクを仕組みとして最小化しています。
あえて「遅く」した理由
もう1つ、地味ですが重要な判断をしました。
よくあるAIチャットって、文字が1文字ずつ流れるように表示されますよね。あのスタイルはかっこいいのですが、「文字が流れている途中」では回答の中身をチェックできない。
なので、AIの回答が全部出来上がってからチェックして、一括で表示する方式にしました。
体感速度よりも安全性を優先する。企業サイトのチャットボットとしては、この判断が正解だと考えています。応答時間は1〜3秒程度で、体験上は問題ありません。
少し技術的な話
せっかくなので、技術的な話も少しだけ。以前の記事でも書いた自社サイトと同じく、Next.js + Vercelの構成で構築しています。
チャットボット自体の機能としては、サイト右下の吹き出しアイコンで開閉できて、最初に「こんな質問ができますよ」というサジェスチョン(質問候補)が表示されます。「AIによる自動応答のため、回答が正確でない場合があります」という免責表示も常に出しています。
入力文字数や会話回数の制限も設けています。チャットボットはあくまで「入口」で、詳しいご相談はお問い合わせフォームでという設計です。
最後に
AIチャットボットは、月額数万円のSaaSを契約しなくても自作できる時代になっています。ただし、「作れる」ことと「安全に運用できる」ことは別の話。
特に企業サイトに載せるチャットボットは、「AIに何を任せて、何を任せないか」の線引きが非常に重要です。
「うちのサイトにもチャットボット入れたい」「AI導入で何から始めればいいかわからない」そんな方は、お気軽にご相談ください。雑談レベルで構いません。
お問い合わせはこちら:https://www.i-gs.co.jp/contact
よくある質問
Q. AIチャットボットを自作するのは難しい?
A. バイブコーディングで数日あれば構築できます。ただし、企業サイトに載せる場合は「安全設計」に時間をかけることをおすすめします。
Q. AIが嘘をつくのは防げないの?
A. プロンプトだけでは防ぎきれません。AIに答えさせない領域を決める+回答を表示前にチェックする、という仕組みで防ぐのが現実的です。
Q. SaaSと自作、どっちがいい?
A. 社内にバイブコーディングができる人がいれば自作の方がコストを抑えられます。いない場合はSaaSも良い選択肢です。
Q. チャットボットで問い合わせは増える?
A. 「お問い合わせフォーム」よりハードルが低いので、これまで拾えなかった「ライトに聞きたい」層にリーチできる可能性があります。
