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勤怠・労務

40人・1か月分の打刻を、1秒未満で集計し給与ソフト用データに。打刻漏れをその日のうちに知らせる仕組み

スマホのGoogleフォームで打刻した勤怠から、打刻漏れ・休憩不足・シフトとの差を毎日検出して店長に知らせ、月末には残業・深夜・休日の時間を集計して、給与ソフト用データを作成する仕組みを構築し、40人・1か月分の打刻で検証しました。

概要

対象業務
従業員の打刻の記録と、月次の勤怠集計・給与ソフト用データの作成
使用ツール
Googleフォーム・Googleスプレッドシート・Chatwork・Claude(修正申請の読み取り)・給与ソフト(CSVの取り込み)
検証データ
飲食店3店舗・従業員40名(社員6名・パート/アルバイト34名)の1か月分の打刻2,723件と、修正申請30件
導入前の課題
  • 紙のタイムカードを、月末に各店長がExcelへ手入力している
  • 残業・深夜・休日の時間を手で計算し、給与ソフトに入力している
  • 打刻漏れや休憩の取り忘れに月末まで気づかず、本人に確かめるのに時間がかかる
  • 計算の誤りが、そのまま給与の誤りになる
成果
  • 40人・1か月分の打刻2,723件の読み込みから、検出・修正の反映・集計・給与ソフト用CSVの書き出しまでにかかった時間は、約0.04秒(AIの読み取りと店長の承認の時間は含まない)
  • 月次集計の240項目(40人×6項目)は、すべて正解と一致
  • 毎日の検出は、打刻漏れ19件・休憩不足12件・シフトとの差14件の計45件をすべて検出
  • 修正申請30件のうち、日付と時刻が文から特定できる25件はAIがすべて正しく読み取り、あいまいな5件はすべて確認事項に回した(推測で埋めた項目は0件)
  • AIの利用料は、修正申請30件で約11円

月末の手入力と計算に時間がかかり、打刻漏れに気づくのも遅れる

飲食店を3店舗運営する従業員40名(社員6名・パート/アルバイト34名)の会社の場合、営業時間は10時から23時で、勤務はシフト制です。22時以降の深夜勤務があり、定休日は無く、従業員は交代で休みます。紙のタイムカードを月末に各店長がExcelへ手入力し、残業・深夜・休日の時間を手で計算して、給与ソフトに入力します。

打刻漏れや休憩の取り忘れには月末まで気づかず、本人に確かめるのにも時間がかかります。計算の誤りは、そのまま給与の誤りになります。こうした勤怠の集計を、担当者の手作業と記憶だけに頼らない仕組みとして、本事例を構築しました。

構築した仕組み

打刻から給与ソフト用データの作成までを、下記の7つの工程で構成しています。

  1. 1

    スマホのGoogleフォームで打刻

    店舗に掲示したQRコードから、従業員がスマートフォンのGoogleフォームで、出勤・休憩開始・休憩終了・退勤を打刻します。

  2. 2

    Googleスプレッドシートに打刻記録を保存

    打刻は、Googleスプレッドシートの打刻記録に自動で入ります。1回の打刻が1行で、タイムスタンプ・従業員番号・氏名・店舗・種類を記録します。

  3. 3

    毎日の締めで、打刻漏れ・休憩不足・シフトとの差を検出

    出勤だけ・退勤だけ・休憩開始だけの打刻漏れ、労働6時間超で休憩45分未満(8時間超で60分未満)の休憩不足、シフトの開始・終了と30分以上違う出勤・退勤を検出します。検出した内容は、その日のうちにChatworkで店長に通知します。

  4. 4

    AI(Claude)が修正申請を読み取り

    従業員が自由な文で送った修正の申請から、対象の日付・種類(出勤・休憩開始・休憩終了・退勤)・時刻を、AIが読み取って修正案にします。日付や時刻が文から特定できない申請は、推測で埋めず「確認事項」に回します。

  5. 5

    店長が承認して、勤怠に反映

    修正案は、店長が確認して承認するまで勤怠に反映されません。AIが勤怠を直接書き換えることはありません。確認事項は、店長が本人に確かめた値で反映します。

  6. 6

    月末に集計

    1人ごとの出勤日数・労働時間・残業・深夜・休日・遅刻早退を集計します。

  7. 7

    給与ソフト用データを作成

    給与ソフトに取り込めるCSVを、1人1行で作成します。経理が集計を確認したうえで、給与ソフトに取り込みます。割増賃金の計算は、給与ソフトで行います。

時間の計算は計算のプログラムで行い、AIは修正申請の読み取りだけに使う

給与に関わる時間は、同じ打刻から毎回同じ答えが出る必要があります。そのため、労働時間・残業・深夜・休日の計算と、打刻漏れなどの検出は、AIではなく、あらかじめ決めた手順で計算する専用のプログラム(以下、計算のプログラム)で行います。AI(Claude)を使うのは、従業員が自由な文で送る修正申請の読み取りだけです。

作業担当理由
労働時間・残業・深夜・休日・遅刻早退の計算計算のプログラム給与に関わるため、同じ打刻から毎回同じ答えが出る必要があり、AIの判断を入れない
打刻漏れ・休憩不足・シフトとの差の検出計算のプログラム検出の基準が決まっているため
修正申請の文の読み取りAI(Claude)書き方が人によって違い、決まった手順の計算では読み取れないため
修正の承認、月末の集計の確認店長・経理給与に関わるため、人が最終確認する

検証で使った計算の決まり

  • 労働時間: 退勤の時刻から出勤の時刻を引き、休憩(休憩開始から休憩終了まで)を除いた時間です。日をまたぐ勤務は、出勤した日の勤務として扱います。
  • 残業: 1日8時間を超えた時間です。週(日曜から土曜)の労働時間が40時間を超えた分も、二重に数えずに加えます。
  • 深夜: 22時から翌5時までに働いた時間です(休憩中は除きます)。
  • 休日: 従業員ごとに決めた週1回の休日に働いた時間です。休日の時間は、残業の計算に含めません。
  • 遅刻早退: シフトの開始より後の出勤と、シフトの終了より前の退勤の分数です。シフトの無い日は数えません。

打刻の検出、修正申請の読み取り、月次集計

毎日の検出

毎日の締めで、打刻漏れ・休憩不足・シフトとの差を検出し、その日のうちに店長へ通知します。

毎日の検出

日付従業員検出内容
10/25社員 近藤打刻漏れ退勤の打刻なし
10/23アルバイト 加藤休憩不足労働時間6:44に対して、休憩20分(45分未満)
10/20社員 山崎シフトとの差打刻 08:45〜18:42(シフト 09:30〜18:30)
  • 10/25社員 近藤

    検出打刻漏れ

    内容退勤の打刻なし

  • 10/23アルバイト 加藤

    検出休憩不足

    内容労働時間6:44に対して、休憩20分(45分未満)

  • 10/20社員 山崎

    検出シフトとの差

    内容打刻 08:45〜18:42(シフト 09:30〜18:30)

検証で検出された45件から3件を抜粋。内容の「打刻」は、実際に押された時刻です。

修正申請の読み取り

従業員が自由な文で送った修正の申請から、AIが対象の日付・種類・時刻を読み取って、修正案にします。「昨日」「先週の金曜」のような言い方は、申請日から数えて日付にします。日付や時刻が文から特定できない申請は、推測で埋めず、確認事項にします。

修正申請の読み取り

申請者申請日申請文対象の日種類時刻
アルバイト 橋本10/03「お疲れ様です。昨日の出勤を押し忘れました。9時51分に入りました。」10/02出勤09:51
アルバイト 山本10/14「先週の金曜の退勤は24時51分になってますが、24時26分に上がりました。」10/09退勤翌日 00:26
アルバイト 長谷川10/22「4日前の出勤の時刻が違ってます。夜の6時19分って出てるけど17:54に着きました。」10/18出勤17:54
社員 斎藤10/08「この前の出勤、10時43分になっていたと思うんですが、本当は10時45分でした。」確認事項出勤10:45
  • アルバイト 橋本

    申請日10/03

    申請文「お疲れ様です。昨日の出勤を押し忘れました。9時51分に入りました。」

    対象の日10/02

    種類出勤

    時刻09:51

  • アルバイト 山本

    申請日10/14

    申請文「先週の金曜の退勤は24時51分になってますが、24時26分に上がりました。」

    対象の日10/09

    種類退勤

    時刻翌日 00:26

  • アルバイト 長谷川

    申請日10/22

    申請文「4日前の出勤の時刻が違ってます。夜の6時19分って出てるけど17:54に着きました。」

    対象の日10/18

    種類出勤

    時刻17:54

  • 社員 斎藤

    申請日10/08

    申請文「この前の出勤、10時43分になっていたと思うんですが、本当は10時45分でした。」

    対象の日確認事項

    種類出勤

    時刻10:45

検証で読み取った修正申請30件から4件を抜粋。申請文は原文で、「24時26分」は翌日の0時26分として読み取っています。赤字は確認事項で、「この前」がいつの出勤か特定できないため、店長が本人に確かめます。

月次集計と給与ソフト用データ

月末に、1人ごとの出勤日数・労働時間・残業・深夜・休日・遅刻早退を集計し、給与ソフトに取り込めるCSVを作成します。時間は「時間:分」で出力します。

月次集計(CSV)

従業員番号氏名出勤日数労働時間残業深夜休日遅刻早退
1002社員 近藤25213:1627:185:079:580:14
1008アルバイト 長谷川17107:270:0032:476:250:05
1010アルバイト 佐々木16104:560:0033:185:170:30
  • 1002社員 近藤

    出勤日数25

    労働時間213:16

    残業27:18

    深夜5:07

    休日9:58

    遅刻早退0:14

  • 1008アルバイト 長谷川

    出勤日数17

    労働時間107:27

    残業0:00

    深夜32:47

    休日6:25

    遅刻早退0:05

  • 1010アルバイト 佐々木

    出勤日数16

    労働時間104:56

    残業0:00

    深夜33:18

    休日5:17

    遅刻早退0:30

検証で作成されたCSV(40人・1か月分)から3人分を抜粋。氏名は、区分と姓で表示しています。

検証結果

打刻2,723件の読み込み・検出・修正の反映・集計・給与ソフト用CSVの書き出しにかかった時間は、約0.04秒でした。AIが修正申請30件を読み取った約23秒と、店長の承認の時間は含みません。月次集計の240項目はすべて正解と一致し、毎日の検出の45件はすべて検出できました。

検証した内容正解の件数結果
月次集計(40人×6項目)240項目240項目すべてが一致
毎日の検出: 打刻漏れ19件19件すべてを検出
毎日の検出: 休憩不足12件12件すべてを検出
毎日の検出: シフトとの差14件14件すべてを検出
毎日の検出: 合計45件45件すべてを検出(誤った検出は0件)
修正申請: 日付と時刻が文から特定できる申請25件25件すべてを、日付・種類・時刻まで正しく読み取り
修正申請: あいまいな申請5件5件すべてを確認事項に回した

月次集計の6項目は、出勤日数・労働時間・残業・深夜・休日・遅刻早退です。正解は、集計の仕組みとは別に、同じ決まりから作成した集計です。

修正申請の読み取り

修正申請30件のうち、日付と時刻が文から特定できる25件は、AIがすべて日付・種類・時刻まで正しく読み取りました。日付や時刻が特定できないあいまいな5件は、すべて確認事項に回しました。5件の内訳は、日付が特定できない3件と、時刻が特定できない2件でした。

修正の申請が出ていない打刻漏れの日(2件)は、集計に入れず、店長への確認事項として残しました。

検証の範囲は、打刻データからの検出、修正申請の読み取り、修正の反映、月次集計とCSVの作成までです。Googleフォームの打刻画面、Chatworkへの通知、承認の画面は検証の対象外です。検証では、AIの修正案をそのまま反映し、確認事項になった5件は、店長が本人に確かめた値で反映して集計しています。

導入について

本事例と同規模の仕組みは、AIコンサルティングとして10万円(税別)から構築します。操作説明と手順書も含みます。構築後の運用相談や改修を継続してご依頼いただく場合は、「後藤、貸します。」(月10万円・月15時間から、税別)で対応します。

別途、AIの利用料がかかります。今回の検証では、修正申請30件の読み取りで約11円でした(2026年10月時点の料金での試算)。必要な契約は、AnthropicのAPI、Googleフォーム・Googleスプレッドシートを利用できるGoogleアカウント、通知先のChatwork、CSVを取り込む給与ソフトです。

Googleフォームの打刻画面、Chatworkへの通知、修正案の承認の画面は、導入時に貴社の環境に合わせて構築します。シフト制や就業規則は会社ごとに違うため、残業・深夜・休日などの計算の決まりは、導入時に貴社の就業規則に合わせて決めます。どの勤務形態(社員・アルバイト)から始めるかは、月末の集計にもっとも時間がかかっている勤務形態をもとに決めます。ほかの店舗や飲食店以外の業種にも同じ方法を使えるかは、シフトの組み方をうかがったうえで判断します。

よくあるご質問

Q打刻を忘れた場合は、どうなりますか?

打刻漏れは、毎日の締めで検出し、その日のうちに店長へ通知します。従業員が修正を申請すると、AIが日付・種類・時刻を読み取って修正案にし、店長が承認すると勤怠に反映されます。検証では、打刻漏れ19件をすべて検出しました。

Q日付や時刻があいまいな申請は、どうなりますか?

推測で埋めず、「確認事項」として店長に返します。店長が本人に確かめた値で、勤怠に反映します。検証では、あいまいな5件がすべて確認事項になり、推測で埋めた項目は0件でした。

Q給与の計算にAIを使っていますか?

使っていません。労働時間・残業・深夜・休日の時間は、決まった手順で計算するプログラムで集計するため、同じ打刻から毎回同じ答えになります。AIを使うのは、修正申請の文の読み取りだけです。割増賃金の計算は、給与ソフトで行います。

Q今使っている給与ソフトに取り込めますか?

給与ソフトによってCSVの形式が異なるため、お使いの給与ソフトの取り込み形式に合わせて作成できるかを、無料相談でお答えします。

Q従業員の勤怠データをAIで処理しても問題ありませんか?

検証でAIに送ったのは、修正申請の文と、申請を送った日時だけです。処理には、Claudeの画面ではなく、AnthropicのAPI(自社のシステムからAIを利用する仕組み)を使用します。Anthropicは、APIで送信されたデータを、利用者が許可しない限りAIの学習に使用しないと公表しています。AIで処理するデータの範囲は、無料相談の段階で一緒に決めます。

貴社の勤怠管理でも実現できるか、30分でお答えします

現在の打刻の方法、シフトの形、給与ソフトへの入力の流れをうかがい、自動化できる範囲と費用の目安をお伝えします。

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