

この記事を書いた人
後藤 佑輔
IGS代表大和証券・アクセンチュアを経て、2023年にIGSを設立。非エンジニアながらClaude Codeで自社業務の多くを自動化し、AI事業開発を行っている。
Threads @yuigs_ai「AIエージェント」って最近よく聞きませんか?
こんにちは。代表の後藤です。
弊社は現在、社内には8つの部署と21人の「AI社員」がいます。
SEO担当、記事ライター、経理担当、営業企画...全部AIです。
おそらく、まだあまり浸透していない概念なので、「何言っているんですか?」と思いますよね。もちろんそれは当然の感覚ですし、私も最初は半信半疑でした。ただし、結論から言うと、きちんと動きます。しかも「Claude Code」というツールだけで作りました。
この記事では、「AIエージェントって何?」という基礎から、弊社が実際にAI社員チームを作った手順、やってみてわかったコツまで、全部お話しします。
そもそもAIエージェントとは?
AIエージェントを簡単に言うと、「自分で考えて、自分で動けるAI」 です。
普通のAI(ChatGPTに質問するようなやつ)は、聞かれたことに答えるだけ。受け身です。
一方、AIエージェントは「この仕事やっといて」と指示を出すと、自分で手順を考えて、必要な情報を集めて、作業を完了させてくれる。AI版の社員みたいなものです。
たとえば「来月のブログ記事のキーワード調査をして、候補を5つ出して」と言えば、検索ボリュームを調べて、競合を分析して、提案までやってくれる。人間がやるのと同じ流れを、AIが自律的にやるわけです。
AIエージェントの仕組みについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事で解説しています。
なぜAIエージェントを作ろうと思ったのか
弊社は1人会社なので、これまで「経営企画」「記事の執筆」「SEO分析」「SNS運用」「経理」「開発」など、ほとんど私1人でやっていました。当然、手が回らないことだらけです。
外注するにも、自社の情報をどこまで出すのか検討が必要ですし、教育コストもかかる。かといってAIに「記事書いて」と1回ずつ頼むのは、結局自分がディレクションする手間が大きい。
そこで思いました。「AIに役割を持たせて、チームとして動かせないか?」 と。
人間の会社には部署があって、それぞれの担当者に専門性がある。同じ構造をAIで再現すれば、1人社長でも「チームで仕事を回す」感覚が作れるんじゃないかと。
(余談ですが、アメリカなどの欧米では「ソロプレナー」と呼ばれる1人社長×AIエージェントの会社が増えてきているようです。)
実際に作ったAI社員チーム(8部署21名)
弊社が作ったAIチームの構成を紹介します。
経営企画部(2名)
- 事業戦略担当:KPIの管理、事業計画の策定
- 経理・財務担当:freeeと連携した経理処理、請求管理
コンテンツ制作部(4名)
- 記事ライター:ブログ記事の執筆
- デザイナー:アイキャッチ画像やバナーの作成
- 動画担当:ショート動画の企画・制作(←調整中)
- 編集・校正担当:記事のチェック、note転載
マーケティング部(3名)
- SEO担当:検索順位の分析、キーワード調査
- SNS担当:X・Threads・Instagramの運用
- グロース担当:広告運用、セミナー企画
営業部(3名)
- 営業担当:提案書作成、商談準備
- プラットフォーム担当:各プラットフォームの管理
- 提携担当:パートナーシップ、コミュニティ運営
開発部(3名)
- フロントエンド:Webサイト・アプリのUI
- バックエンド:API開発、自動化スクリプト
- DevOps:デプロイ、MCP連携、GAS開発
プロダクト部(2名)
- プロダクトマネージャー:SaaS企画、ロードマップ管理
- UX担当:ユーザー体験の設計・改善
リサーチ部(2名)
- 市場調査担当:競合分析、市場トレンド調査
- 技術調査担当:新ツールの検証、技術トレンド
Claude Code導入支援部(2名)
- 導入コンサルタント:クライアントへのClaude Code導入支援
- 納品担当:レポート作成、品質管理
こう並べると人間組織のようですが、全員AIです。
AIエージェントの作り方(初心者向け3ステップ)
次は、「すごいのはわかったけど、では具体的にどうやって作るの?」という話ですね。
弊社が使っているのはClaude Codeというツールです。エンジニアが使っている「ターミナル(黒い画面)」で動くAIなんですが、非エンジニアでも問題なく使えます。詳しくはこちら(非エンジニアでもClaude Codeは使える、という話)。
作り方は、意外とシンプルです。
ステップ1:「何をやってほしいか」を書き出す
まず、AIに任せたい仕事を洗い出します。
弊社の場合はこんな感じでした。
- ブログ記事を書いてほしい
- SEOのキーワード調査をしてほしい
- SNSの投稿を考えてほしい
- 経理の仕訳を自動化したい
- 競合サイトを定期的にチェックしたい
などなど。
ポイントは、「自分が毎週やっている作業」から洗い出すこと。日常業務の中に、AIに任せられるものが必ずあります。
ステップ2:役割ごとに「指示書」を作る
ここが一番大事です。
Claude CodeにはCLAUDE.md(クロード・エムディー)という仕組みがあります。これは要するに「AIへの指示書」です。ここに「あなたはSEO担当です。こういう方針で仕事してください」と書いておくと、AIがその役割に沿って動いてくれます。
弊社はこの指示書を、部署ごと・担当者ごとに作りました。
たとえばSEO担当の指示書はこのような感じです。
- 担当範囲(検索順位分析、キーワード調査、内部リンク最適化)
- 使うツール(Google Search Console、GA4)
- 判断基準(検索ボリューム○○以上を優先、など)
- レポートの形式
このようなことを書いています。
ちなみに、実際のCLAUDE.mdはこんな感じのただのテキストファイルです(プログラミングは不要。Markdownという軽い書式で書くだけです)。
例:SEO担当の指示書(一部)
# SEO担当
あなたはIGSのSEO担当です。
## 役割
- 検索順位の分析 / キーワード調査 / 内部リンクの最適化
## 使うツール
- Google Search Console / GA4
## 判断の方針
- 検索ボリュームより「検索意図」を優先。ユーザーの悩みから逆算する
## やってはいけないこと
- 確証のない数字を、事実として書かない
このファイルをプロジェクトのフォルダに置いておくだけで、Claude Codeが起動時に読み込んで、この方針どおりに動いてくれます。人間の社員に「業務マニュアル」を渡すのと同じ感覚です。
書き方のコツは、「方向性」を書くこと。
「毎週月曜にキーワード調査をして、火曜に記事の構成を作って」みたいなタスクの羅列ではなく、「検索意図を深く理解して、ユーザーの悩みから逆算する」という方針レベルで書く。
そうすると、AIが状況に応じて柔軟に判断してくれます。
ステップ3:実際に仕事を振って、育てる
指示書を作ったら、あとは実際に仕事を振るだけです。
「SEO担当、今月のキーワード候補を出して」
「ライター、このテーマで記事を書いて」
こんな感じで指示を出すと、AIがその役割に沿って作業してくれます。
なお、どんな指示(プロンプト)を出せばいいか迷ったら、弊社が実際に毎日使っている指示文の例をこちらにまとめています。→ 仕事で使えるClaude Codeプロンプト集〜非エンジニアの実務テンプレート〜
ただ、最初から完璧にはいきません。「ちょっと文体が固いな」「この分析、もっと深掘りしてほしい」みたいなフィードバックが出てきます。そしたら指示書に追記する。使いながら育てるのがコツです。
弊社も最初は5〜6人のAI社員から始めて、足りない部分を補強しながら、今の21名体制になりました。
やってみてわかった3つのこと
1. 「指示書の質」がすべてを決める
AIエージェントの良し悪しは、プログラミングのスキルではなく、指示書の質で決まります。
- 何を任せたいか
- どういう基準で判断してほしいか
- どんな形式でアウトプットしてほしいか
これをちゃんと言語化できれば、非エンジニアでも高品質なAIエージェントが作れます。
逆に言えば、自分の業務を言語化する力が問われます。でもこれは、人間の部下に仕事を教えるのと同じスキルなので、経営者なら持っている方が多いはずです。
2. 全部任せるのではなく「最終判断は人間」
弊社のAI社員は優秀ですが、最終判断は必ず人間がやっています。
たとえばブログ記事なら、AIが下書きを作って、弊社が内容をチェックして公開する。経理なら、AIが仕訳の候補を作って、弊社が確認してから登録する。
「AIが8割やって、人間が2割で仕上げる」 くらいのバランスが、今のところ一番うまく回っています。
3. 最初は小さく始めるのが正解
いきなり21名のチームを作ろうとすると、確実に挫折します。
おすすめは、まず1人のAIエージェントを作ること。一番手間がかかっている業務を1つ選んで、そこだけAIに任せてみる。うまくいったら2人目、3人目...と増やしていく。
弊社も時間をかけて今の体制になりました。焦らず、1つずつ育てていくのが結果的に一番早いです。
AI活用や業務改善について、お気軽にご相談ください
無料で相談するAIエージェントを作るのに必要なもの
「で、具体的には何が必要なの?」という話ですね。
- Claude Code:Claudeの有料プランで使用可能に。個人向けのClaude Proなら月額20ドル=約3,000円から使えます。使う量が増えたら上位のMaxプランへ
- パソコン:WindowsでもMacでも可
- 業務の言語化:何を任せたいかを整理して伝えましょう
プログラミングの知識は不要です。非エンジニアでも問題なく構築・運用できるはずです。
ただし、Claude Codeの初期セットアップにはターミナル操作が多少必要です。
よくある質問
Q. AIエージェントとChatGPTの違いは?
ChatGPTは「聞いたことに答える」受け身型。AIエージェントは「指示を受けて自分で考えて作業する」能動型です。ChatGPTに毎回「次はこれやって」と指示するのが面倒な方こそ、エージェント化がおすすめです。
Q. 非エンジニアでも本当に作れる?
作れます。必要なのはプログラミングスキルではなく、「業務を言語化する力」です。自分の仕事を人に説明できるなら、AIエージェントは作れます。
Q. 費用はどれくらいかかる?
Claude Codeの利用料のみです。月額数千円程度で、21名のAI社員を運用できています。人件費と比べたら圧倒的にコスパが良いです。
Q. セキュリティは大丈夫?
社内の機密情報をAIに渡す際は注意が必要です。弊社は認証情報を環境変数で管理し、AIが外部に情報を送信しないよう制御しています。Claude Codeはローカルで動くため、クラウド型AIよりセキュリティ面では有利です。
まとめ
AIエージェントは「プログラマーが作る高度なもの」ではなくなりました。
1人社長でも、非エンジニアでも、「自分の業務を言語化する力」があれば、AIエージェントは作れます。
弊社の8部署21名のAIチームも、最初は1人のAI社員から始まりました。まずは一番手間のかかる業務を1つ選んで、AIに任せてみてください。きっと「もう1人欲しい」と思うはずです。
弊社もそうやって、いつの間にか21人になっていました。
一人社長・一人会社でも、AIで「組織」をつくって会社を回す。そんな働き方が、もう現実になっています。
AIエージェントの導入や構築で迷っている方は、お気軽にご相談ください。弊社の実体験をベースに、あなたの業務に合ったAI社員の作り方を一緒に考えます。

