

この記事を書いた人
後藤 佑輔
IGS代表大和証券・アクセンチュアを経て、2023年にIGSを設立。非エンジニアながらClaude Codeで自社業務の多くを自動化し、AI事業開発を行っている。
Threads @yuigs_aiこんにちは、代表の後藤です。
弊社は私1人の会社です。
ただし、実際に毎日働いているメンバーは20人以上います。全員AIの社員(AIエージェント)です。
以前、AI社員の作り方という記事を書きました。今日はその続きで、作ったAI社員に実際どんな仕事を任せて、一人会社をどう回しているかという運用の話をします。
「作り方」より「回し方」のほうが、たぶん知りたい人が多いはずなので。
一人社長の悩みは、結局「手が足りない」に集約される
一人で会社をやっている方なら、おそらく分かると思います。
経営も、営業も、経理も、SNSも、サイトの更新も、全部自分。やることは本当に無限にあるのに、体は1つしかない。「アイディアはあるのに実現できない」や「あれもこれもやらなきゃ」が頭の中に常に20個くらい浮かんでいる状態です。
「外注すればいい」という観点もあります。外注は外注で、「探す手間」、「教える手間」、「自社の情報をどこまで渡すかの判断」などがある。結局「お願いするより自分でやったほうが早い」になりがちです(事業規模を急角度で拡大する、という観点では悪手であるとは自任しています)。
で、この「手が足りない」を、人を雇わずに解決したのがClaude CodeでのAI社員でした。
私がAI社員に任せている9つの仕事
実際にどんな仕事を渡しているか。役割ごとに9つ挙げます。
1. 【SEO担当】キーワード調査と現状記事のアナリティクス分析
Google Search Console(GSC)とGA4(Googleアナリティクス)のデータをAIが直接読みに行って、「表示回数は多いのに順位が低い=あと一歩で上位に届くクエリ」を抽出します。
そこから新記事のテーマや、既存記事のリライト候補を検索需要の数字つきで出してくれます。
2. 【広告担当】Meta・Google広告の運用サポート
Googleリスティング広告やMeta広告(Instagram・Facebook)の、広告文やキーワードの案出し、クリエイティブ作成、配信後のレポート分析・改善案づくりまで行ってくれます。
「どのキーワード・どのクリエイティブの獲得単価(CPA)が良いか」をAIがまとめて、次の打ち手まで出してくれます。
3. 【ライター担当】ブログ記事の下書き
私は普段から「どのような記事を書きたいのか」や「Claude Codeでどのような作業を行っているのか」をすべて記録しています。
なので、テーマを渡すと、構成案→本文→アイキャッチ画像の生成→microCMSへの下書き投稿まで一気に行ってくれます。ただし、最後は人間が読んで品質担保するのが鉄則です。
4. 【SNS担当】投稿の作成・月次レポート作成
X・Threadsの投稿作成、Instagram・TikTokのショート動画作成(現在調整中)を私の実体験をもとに作成してくれます(ネタ出しから実際の投稿まで)。また、各アカウントのフォロワー増減や「伸びた投稿」を月初に自動でレポート化してくれます。
5. 【経理担当】経理の仕訳作業
freee(会計ソフト)とAIを連携して、未処理の明細から勘定科目の仕訳案を作成してくれます。
経理は一番大変な業務だったので、ここは本当に助かっています。
6. 【営業担当】提案資料などの各種資料作成
自社用のデザインテンプレートをClaude Codeの「Skills」を用いて作成しています。
なので、「初めての方に向けた”Claude Codeの始め方”資料を作って」と伝えると、公式ドキュメントを読みこんで資料を作成してくれます。常に同じデザインで作成してくれるので、微調整のみで助かっています。
7. 【開発担当】社内で使うツールの開発
「こういう作業を自動化したい」と伝えると、その場で小さなツールを作ってくれます。これは非エンジニアの私には一番衝撃でした。
8. 【秘書担当】毎朝のタスク整理
朝「おはよう」と打つと、未返信のメッセージと今日の予定を見て、ToDoを出してくれます。
1日のタスク整理が2,3分で終わります。
9. 【リサーチ担当】競合・市場のリサーチ
新しいサービスを考えるときや、既存サービスを見直すときに、競合サイトを定期的に巡回してくれます。
市場のトレンド調査も、ニュースや一次情報を集めて要点だけ整理してくれるので、リサーチにかけていた時間が大幅に減りました。
ちなみに、こうした仕事をどうやって外部サービスと繋いで動かしているか(技術的な仕組み)は、別の記事(MCPとは)で詳しく書いています。気になる方はそちらをどうぞ。
大事なのは「任せる仕事」と「握る仕事」の線引き
ここまで読むと「全部AIに丸投げしているのか」と思われそうですが、その認識は違います。
私が決めているルールは1つで、最終判断は必ず人間がやるということです。
AIに任せているのは、あくまで「下ごしらえ」の部分。
- ブログ記事 → AIが下書き、私が公開を判断
- 経理 → AIが仕訳案、私が確認して登録
- 提案資料 → AIがたたき台、私が中身を決める
この「AIが8割やって、人間が2割で仕上げる」くらいのバランスが、今のところ一番うまく回っています。
逆に、お金が動くこと、外部に出ること、会社の方向を決めること。ここは絶対に自分が握ります。AIに「公開していい?」「この経費で合ってる?」と最後に聞かれる設計にしておく(仕組みで「公開」などをストップさせます)。
これだけで、安心して任せられる範囲が一気に広がります。
任せると握るの線引き。これが一人会社をAIで回すときの肝だと思っています。
正直に言うと、AIに任せてダメだったこともある
良いことばかり書くと嘘くさいので、少しだけうまくいかなかった話も。
最初の頃、欲張って何でもかんでもAIに渡そうとして、失敗しました。指示があいまいだと、それっぽいけど使えないものが出てくる。「いい感じにやっといて」が一番危ない指示です。
あと、AIは平気で「もっともらしい間違い」をします。数字や事実は、裏を取らないと危ない場面が何度もありました。
なので、必ずソース付きで提示してもらい、そのソースは私が目を通す運用になっています。だから握る仕事と任せる仕事を分けているわけです。
それでも、トータルで見れば手放しでおすすめできます。AIが完璧ではないからこそ「人間の役割」は重要です。
なので、普段からマネジメントを行っている経営者やフリーランスには相性が非常に良いと感じます。
AI活用や業務改善について、お気軽にご相談ください
無料で相談する人を雇わずに、会社が回る時代になった
私がAI社員に任せている仕事を、もし人に頼んだら。SEO担当、ライター、経理、リサーチャー、エンジニア。それなりに費用が掛かるはずです。
それが、Claude Codeの月額の利用料だけで回っています。もちろん私の手も動かしますが、「0から全部やる」のと「AIが下ごしらえしたものを仕上げる」のとでは、1日の中身がまるで変わりました。
一人社長、一人会社。人を増やさずに、AIで「組織」をつくって会社を回す。
そんな働き方が、もう特別なことではなくなってきているように感じます。
FAQ
Q. AIに仕事を任せるのに、プログラミングのスキルは必要ですか?
A. 必要ありません。必要なのは「自分の仕事を言葉で説明する力」です。人に仕事を教えるのと同じ感覚で、AIにも役割と方針を伝えれば動いてくれます。
Q. いきなり9つ全部を任せたほうがいいですか?
A. おすすめしません。最初から欲張ると、まず挫折します。一番手間のかかっている業務を1つだけ選んで、そこから任せてみてください。うまくいったら2つ目、3つ目と増やすのが結果的に一番早いです。
Q. AIに任せて、間違いが起きるのが不安です。
A. その不安はもっともです。だから弊社は「最終判断は人間」を徹底しています。お金が動くこと・外部に公開すること・会社の方向を決めることは、必ず自分が確認してから実行する設計にしています。
Q. どれくらいの費用がかかりますか?
A. Claude Codeの利用料のみです。月額数千円のプランから始められ、使う量が増えたら上位プランに上げる形です。人を雇うことを考えれば、コストはまったく比較になりません。


