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この記事の著者
後藤 佑輔
IGS代表大和証券、
こんにちは。代表の後藤です。
AIに仕事を任せていると、こんな悩みが出てきます。
AIが何体もいるのに、「あれ、これってどのAIに頼むんだっけ」
このように、自分のほうが混乱し始めるんです。
人間の会社なら、これを「部署」で解決していますよね。
経理のことは経理部、集客のことはマーケティング(営業)部。役割ごとにまとまっているから、迷わず頼める。
今回は、その発想をそのままAIに持ち込む話です。
弊社では、AIたちを12の部署・合計24名(ほかに、できあがりをレビューする担当が3名)の組織として束ねています。この記事では、その中身と作り方を公開します。
先に結論「AIの部署とは何か、どんな部署を置き、何から始めるか」
AIの部署とは、バラバラに増えたAIを、マーケティング部やコンテンツ部のように役割ごとにまとめた、会社の組織図のようなものです。
12部署の一覧は、下の組織図にまとめています。
始めるときは、いま一番任せたい仕事の担当を1人作ります。AIが3〜4体を超えて「どれに頼むんだっけ」と感じ始めたら、部署にまとめるタイミングです。
なぜ「AIを1体ずつ増やすだけ」だと、かえって回らなくなるのか
最初は私も、必要になるたびにAIを1体ずつ足していました。
でも、数が増えてくると、こうなります。
- どのAIに頼めばいいか、自分で分からなくなる。
これが一番大きいです。
せっかく作ったのに、存在を忘れて「また同じようなのを作る」が起きます。覚えておくコストが、作るコストを上回ってきます。
- 似た役割が重複して、無駄が増える。
「ブログを書くAI」と「SNSを書くAI」を別々に育てていたら、文章のルールがバラバラになっていた、ということが起きます。本来まとめて持つべき方針が、あちこちに散らばってしまう。
- 指示がその都度バラバラになり、品質にムラが出る。
頼むたびに言い方が変わると、出てくるものも変わります。
人間の部署なら「うちの部はこういう方針」が共有されていますが、それがAIにないと、毎回ゼロから説明することになります。
弊社のAI組織図(12部署・24名を公開)
実際に弊社が組んでいる組織が、これです。

中身はこうなっています。
- 経営企画部(2名):戦略づくり、財務・数字の管理
- プロダクト部(2名):自社サービスの企画、使い勝手の改善
- コンテンツ部(2名):ブログ・note等の執筆、編集・校正
- 映像・デザイン部(2名):動画・リール制作、スライド・画像デザイン
- 開発部(3名):サイト開発、コードレビュー、セキュリティ点検
- マーケティング部(3名):SEO、SNS運用、集客
- 営業・提携部(2名):提案・商談、外部との提携
- Claude事業部(2名):Claude導入支援、コミュニティ運営
- リサーチ・データ部(3名):調査、競合ウォッチ、データ分析
- 自動化・運用部(1名):毎日の自動処理・基盤の運用
- 顧客対応部(1名):問い合わせ対応、既存のお客様フォロー
- コーポレート部(1名):社内の記録・ルールの整備
AIコンサルティング
この記事の仕組みを、
AIの部署の作り方(非エンジニアでもできる)
弊社が使っているClaude Codeでは、部署はフォルダ、社員はその中の1ファイルで表現できます。
たとえば「マーケティング部」というフォルダを作り、その中に「集客担当」のファイルを置く。それだけで組織の形になります。
社員1人にあたるファイルには、難しいことは書きません。
書くのは、次の3つくらいです。
- この担当が何をする人か(例:SNSの投稿ネタを考えて下書きを作る)
- 誰と連携するか(例:文章のトーンはコンテンツ制作部に合わせる)
- やらないこと(例:投稿は自動でせず、必ず人間の確認を通す)
イメージとしては、人間の部下に渡す「職務記述書」です。
これを部署のぶんだけ用意すれば、組織のできあがりです。
呼び出すときは、担当者を名前で呼ぶだけ。
「ライターさん、この内容で記事の下書きを作って」「リサーチ、この業界の競合を調べて」という具合に、人間の部下に頼むのと同じ感覚で指示できます。
プログラミングは要りません。必要なのは、自社の仕事を役割で分けて、言葉で書き起こす力だけです。
ファイル名と置き場所(弊社の実物)
ここまでの「部署はフォルダ、社員は1ファイル」を、実際のファイル名と置き場所まで書いておきます。
会社共通のルールは、会社のフォルダの一番上に置いた1つのファイル「CLAUDE.md」です。部署は「.claude/agents/」というフォルダの中に、部署ごとのフォルダを作って表します。担当は、その部署フォルダの中に置いた.mdファイル1つです。フォルダの形で書くと、こうなります。
会社のフォルダ/
CLAUDE.md 会社共通のルール
.claude/agents/
06-marketing/ マーケティング部
growth-marketer.md 集客担当
03-content/ コンテンツ部
writer.md ライター担当フォルダ名の頭の「06-」「03-」は、12部署に付けている通し番号です。
担当1人分のファイルの中身は、先頭の2行が名札です。
1行目に担当の名前(name)、2行目にどんな時にこの担当を使うか(description)。この2行の下に、本文として「何をする人か・誰と連携するか・やらないこと」の3つを書きます。最小の形で書くと、こうです。(名前と中身は書き方の例です)
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name: sns-writer
description: SNSの投稿ネタと下書きを作るときに使う
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何をする人か: SNSの投稿ネタを考えて下書きを作る
誰と連携するか: 文章のトーンはコンテンツ制作部に合わせる
やらないこと: 投稿は自動でせず、必ず人間の確認を通す
この名札があるおかげで、フォルダで部署を分けていても、担当は名前で呼び出せます。1人分のファイルをもっと細かく作り込みたい方は、サブエージェントの記事で手順を書いています。
やってみてわかった3つのコツ
1. いきなり全部署を作ろうとしない
最初から完璧な組織図を描こうとすると、必ず止まります。
弊社も、最初は2〜3人から始めました。それで回り出してから、足りない役割を足していく。この順番が、結局いちばん早いです。
2. 1ファイルに「やらないこと」も必ず書く
役割だけ書くと、担当同士の仕事がかぶります。
「これはこの担当の仕事」「これはやらない」まで書いておくと、棲み分けがはっきりして、無駄な重複が消えます。とくに「勝手に公開しない」「お金が絡む操作はしない」のような線引きは、最初に書いておくと安心です。
3. 完璧な定義より、運用しながら足す
担当の説明文は、最初から作り込まなくて大丈夫です。
実際に何度か頼んでみると、「ここはもっとこう言ってほしい」が見えてきます。そのときに書き足せばいい。使いながら育てるのが、生きた組織にするコツです。
作ってみてつまずいた所
- 名札の2行を書かないと呼べない:
2026年3月に作った組織図(8部署・21人分のファイル)は、名札の2行がなく、呼び出せる形になっていませんでした。呼べたのは、別に名札を付けて作っていた8人分だけ。そこで2026年6月9日に、12部署・24名の組織として作り直しました。 - 作った直後は「見つからない」と出ることがある:
6月9日に新しく担当を作った時は、作ったその場では見つからず、Claude Codeを開き直したら呼べました。今の公式の説明では、開き直しが要るのは、新しい「agents」フォルダに最初の1つを置いた時とされています。
AIの部署を作るのに必要なもの
- Claude Code:Claudeの有料プラン(料金は下記にて整理)
- 自社の業務を役割で分ける整理:どんな担当が欲しいかを、仕事の単位で書き出す
AI社員の作り方を、コストで整理すると
ここまで書いてきた「部署の作り方」は、呼び方を変えると「AI社員の作り方」と同じ内容です。
1つの部署の中の1人(1ファイル)が、AI社員1人にあたります。
Claude Codeの有料プランには、Proプランに加えて、使える量を増やしたMaxプランがあります。
Pro(月20ドル=約3,200円、年払いなら月17ドル)は、AI社員を1〜2人試すには十分な量です。部署を増やして本格的に運用する段階では、Max(月100ドルから、Proの5倍または20倍の使用量)への切り替えを検討する、という段階の踏み方が現実的です(2026年10月14日時点のClaude公式料金ページで確認)。
AIの部署づくりのご相談
AI組織の作り方や、自社に合った部署の切り方で迷っている方は、お気軽にご相談ください。弊社の実体験をベースに、一緒に考えます。
よくある質問
Q. AIの部署(AI組織化)とは何ですか?
A. バラバラに増えたAIを、マーケティング部やコンテンツ部のように役割ごとにまとめて、会社の組織図の形に並べることです。「どのAIに頼むんだっけ」と迷わなくなります。
Q. AI組織は、何から作り始めればよいですか?
A. いま一番任せたい仕事の担当を1人作るところからです。最初は2〜3人で始め、それで回り出してから足りない役割を足していきます。
Q. AIの部署は、Claude Codeではどうやって作りますか?
A. 部署はフォルダ、担当はその中の1ファイルで表します。ファイルには「何をする人か・誰と連携するか・やらないこと」を言葉で書くだけで、プログラミングは要りません。
Q. AIにやらせないことは、決めておくべきですか?
A. 決めておきます。担当のファイルに「やらないこと」も書くと、担当同士の仕事の重複が消えます。「勝手に公開しない」「お金が絡む操作はしない」といった線引きは、最初に書いておくと安心です。
Q. 会社共通のルールは、どこに書きますか?
A. 会社のフォルダの一番上に置いた「CLAUDE.md」というファイル1つに書きます。部署は「.claude/agents/」というフォルダの中に部署ごとのフォルダを作って表し、担当はその中に置いた.mdファイル1つです。







