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この記事の著者
後藤 佑輔
IGS代表大和証券、
代表の後藤です。
1人社長をやっていると、良くも悪くも、判断がぜんぶ自分に集まってきます。
- 事業をどうするのか
- これはやるのかやらないのか
- このクオリティは世に出していいか
クローンをつくろうと思ったきっかけ
弊社は普段、Claude Codeに「記事の執筆から経理、SNS運用」までほとんどの作業を任せています。
しかし、ある時ふと思いました。
もう何千回、何万回とClaude Codeとやり取りしてきたし、ほとんどの業務を自動化してきたし、多くのツールも開発してきた。
その中で、私が「どんなレビュー」をして、「何を承認」して、「何を却下」してきたのか。
そのやり取りはずっと積み上がっているはずなのに、AIの出してくる成果物は、いつまでも「自分の判断基準に完璧に近づいた」ものにならない。
と。要するに「私の判断基準が、きちんと有効活用されていないんじゃないか」と考えました。
どのようにクローンを作ったのか
方法は下記のとおりです。
- 過去の判断(承認したこと・却下したこと・その理由)を、AIとのやり取りからひたすら集める
- 似た判断もまとめずに、私が実際に言った言葉と場面をそのまま記録する(下の「判断メモの書き方」)
- 普段の作業をするAIに、その記録をいつも読ませておく
今のやり方になるまでには失敗がありました。最初に作った版は、判断を「ルール」にまとめて、毎回AIに読ませるものでした。
9月に見直しました。7月以降、AIが作った仕事の出来を私が判定した結果は、「違う」が3件、「合っている」が0件。「違う」の3件は、AIに読ませていたルールにすでに書いてあったことを、AIが実際に作る時に守れていなかったものです。
そこでルールにまとめるのをやめ、私が実際に言った言葉と場面をそのまま残す形に作り直しました。9月18日に、記事・文体・価格など仕事の種類別のファイル13本に分けています。
AIコンサルティング
この記事の仕組みを、
判断メモの書き方(弊社が実際に使っている型)
メモは1行の形をそろえています。
日付、場面(何を決めた時か)、結論(承認か却下か)、本人の言葉(理由をそのまま)の4つです。例えば「2026年9月1日 提案書の表紙案 却下 『参考にした実物を見たのか』」のように書きます。
どのくらい大事か | 入れる基準 |
|---|---|
絶対に外さない | 同じ趣旨の指摘が2回以上出た物 |
1回きり(例のみ) | 1回だけ出た物。結論として決めず、例として残す |
AIへの渡し方は2つあります。
- 作業の最初に「このファイルを読んでから始めて」と伝える
- 価格や初めてのこと、取り消せない操作の前は、別のAIに「この人ならどう見るか」で点検させる
クローンを作った効果は?
公開しているサイトの中に
アクセスは増えているのに、クリック数が出ていないページ
が何本かありました。
ふつうにAIに相談すると「まず1本だけ手を加えて、効果を確認してから広げていきましょう」と返ってきます。悪くない提案だとは思いますが、スピードを第一優先している私には、その提案に合意はできません。
でも、クローンの判断軸を通すと答えが変わりました。
サイトに追加する作業はするが、何かを削るわけじゃない。つまり「減るリスクは実質ゼロ」のはず。なので、検証を待たず、今すぐ実行すべき。
これは、私が実際に何度も下してきた判断にかなり近いものでした。
クローンも間違える
先日、「他社からの”紹介”や”被リンク”が増えそうなツールを公開しよう」という案を検証していたら、AIが「これは営業行為だから、うちの方針とは合わない」と、勝手に却下しかけたことがありました。
しかし、実際の私の方針は「こちらからゴリゴリとしたアウトバウンド営業はしない」であって、「ツールを公開して自然に見つけてもらう」ところまで禁止しているわけではありません。単語だけ見て、意味をはき違えていた、というわけです。
このズレに気づけたのは、AIに判断の理由を隠さずオープンにさせる設計にしていたからです。もし結論だけが「却下です」と出てきていたら、良い施策がなぜか消えていることにすら、私は気づけなかったと思います。
それでも、自分で決めること
- 販売価格をどうするか
- まだやったことのない新しいことに手を出すか
- 消す、公開するなどやり直しがきかない操作をするか
上記判断は今でも必ず、私のところに確認が来ます。
渡しているのは判断の答えではなく、「判断軸」です。軸を渡した分だけ、確認なしで動いていい範囲が少しずつ広がった。そういう話です。
同じように「判断が全部自分に集まって身動きが取れない」と感じている1人社長・経営者の方は、お気軽にご相談ください。弊社で実際にやってみた分だけ、雑談レベルでお話しできます。
FAQ
Q. AIクローンとは何ですか?
A. 自分の判断の仕方をAIに覚えさせて、自分に近い判断をさせる仕組みのことです。弊社の場合は、見た目や声ではなく、判断の軸をAIに持たせています。
Q. 自分のクローンAIは、どうやって作りますか?
A. 過去の判断(承認したこと・却下したこと・その理由)をAIとのやり取りから集め、私が実際に言った言葉と場面をそのまま記録して、普段の作業をするAIにいつも読ませます。特別なシステムは要らず、弊社はClaude Codeというツールの中で、過去のやり取りやメモを読み込ませています。
Q. 顔や声のAIクローンとは違いますか?
A. 違います。弊社のクローンは、見た目や声ではなく、判断の軸をAIに持たせたものです。
Q. AIは人格をコピーできますか?
A. 弊社がやっているのは人格のコピーではなく、判断の軸を渡すことです。日常の細かい判断は任せられる範囲が広がりましたが、価格を決める、初めてのことに挑戦する、削除や公開など後戻りできない操作は、今でも必ず私が確認します。
Q. AIクローンが間違えたら、どう気づけますか?
A. AIに理由を隠さずに出させることです。結論だけでなく「なぜそう判断したか」が見える形にしておくと、ズレたときに人が気づいて直せます。







