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この記事の著者
後藤 佑輔
IGS代表大和証券、
おはようございます。代表の後藤です。
前回、メインのAIが呼び出す「専門の部下=サブエージェント」の話を書きました。
役割ごとに、必要なときに何人も並列で動かせる、という内容です。
部下を増やしたら、次のステップは、「その部下たちはお互いに連携させる」ステップになります。
これがまさに、今回の主役「エージェントチーム」の話です。
サブエージェントが「1人で完結する専門部下」だとすると、エージェントチームは「複数のAIが役割分担して、お互いの仕事を連携して進めるチーム」です。人間の会社で言えば、担当が1人いるのと、担当・チェック役・まとめ役がチームで動くのとの違い、みたいなものですね。
※本記事は全3回シリーズ「1人社長のAIチームの作り方」の第2回です(①サブエージェント → ②エージェントチーム → ③オーケストレーション)。
先に結論「エージェントチームとは、役割の違うAIが連携して1つの仕事を進める方法です」
何から始めるかは、「調査役」と「検証役」の2人を用意して、メインのAIに段取りを言葉で頼むところからです。この方法なら、公式機能のような設定の切り替えは要りません。
なお、Claude Codeには同じ名前の公式機能もあります。使う場合の手順と注意は、「組み方」の節の末尾に書いています。公式は、初めてなら、コードを書かない調査やレビューのような作業から試すよう案内しています。
公式ドキュメント:Claude Code公式ドキュメント「エージェントチーム」
そもそもエージェントチームとは?
前回のサブエージェントは、メインAIが「調査しといて」と1人に頼み、結果を受け取る形でした。
これでも十分便利なんですが、1人に任せると、どうしても「その人の思い込み」がそのまま結果になってしまうことがあります。人間の仕事でも、1人で作った資料をそのまま提出するより、誰かにチェックしてもらったほうが間違いが減りますよね。
あれと同じで、AIも役割を分けて組ませると、質が一段上がるんです。
たとえば、こんな分け方ができます。
- 調査役:データを集めてくる担当
- 検証役:その調査結果が本当に正しいか、別の角度から裏を取る担当
- まとめ役:両者の結果を受け取って、最終的な文章に仕上げる担当
ポイントは、検証役が調査役とは「別の頭」で動いていることです。
同じ頭で「自分の出した答えを自分でチェック」しても、思い込みは見抜けません。別の担当に独立して見させるからこそ、間違いが浮かび上がります。
AIチームに自社サイトをチェックさせたら、「人間が見落としていた誤り」が出てきた話
実際に弊社でやってみた話があります。
弊社はいくつも自社サイトを運営しているのですが、ある時、公開前に「データの数字が本当に正しいか」全部チェックし直すことにしました。
ここでAIチームの出番です。
- 調査役のAIに「公開ページの数字をすべて拾い出して」と依頼
- 別の検証役のAIに「その数字の出どころを、元のデータから独立して確かめて」と依頼
そうしたら、検証役が「少し数字がズレています」と報告してきました。つまり、人間(私)が見落としていた事実が判明しました。
このときの体験は、この記事でも詳しく書いています。
AIコンサルティング
この記事の仕組みを、
サブエージェントとの違い(1人で完結か、連携か)
整理すると、こうなります。

サブエージェントが「点」だとすると、エージェントチームは「線」でつながっているイメージです。調査役の結果を検証役が受け取り、その結果をまとめ役が受け取る。1人の成果が、次の担当の材料になる。だから、1人では届かない質に届きます。
エージェントチームの組み方(非エンジニアでもできる)
前回お話ししたとおり、サブエージェントは「職務記述書を1枚置くだけ」で作れます。
エージェントチームは、その役割の違う担当を何人か用意して、つなげるだけです。
たとえば、
- まず「調査役」と「検証役」という、役割の違う担当を2人用意する
- メインのAIに「調査役に集めさせて、その結果を検証役に独立して確かめさせて」と頼む
これだけです。プログラミングは要りません。「誰に何をやらせて、その結果を次に誰へ渡すか」を言葉で指示するだけ。これは、人間のチームに仕事の段取りを伝えるのと、まったく同じ作業です。
公式の「エージェントチーム」機能を使うときの手順(2026年10月14日 公式ドキュメント確認)
本文で紹介した「言葉で頼む」組み方でも部下は並列で動きますが、Claude Codeには部下同士が直接やり取りする公式の「エージェントチーム」機能もあります。2026年10月14日時点の公式ドキュメントで確認したところ、実験的な機能で、既定では無効になっています。
使うまでの手順は、次の2つです。
- 有効化:
設定ファイル(~/.claude/settings.json)のenvに、CLAUDE_CODE_EXPERIMENTAL_AGENT_TEAMSを"1"で入れます{ "env": { "CLAUDE_CODE_EXPERIMENTAL_AGENT_TEAMS": "1" } } - 頼み方:
「エージェントチームを作って」と、チームだと分かる言い方ではっきり頼みます。Claudeが判断で普通のサブエージェントだけで済ませることがあり、画面の表示だけでは区別がつきません。区別できない時は、もう一度「エージェントチームで」と明示して頼み直します
使うときに知っておきたいのは、
向くのは調査・レビュー・新機能づくり
という点です。
順序のある作業や同じファイルの編集は、サブエージェントか1つのセッションで進めたほうが使用量を抑えられます
サブエージェントとの違いを、同じ観点で整理すると、こうなります。
項目 | サブエージェント | エージェントチーム |
通信 | 結果を呼び出し元に返します(名前を付けたサブエージェントどうしはメッセージを送り合うこともできます) | 部下どうしが直接メッセージを送り合います |
調整 | メインのAIがすべての作業を管理します | メッセージでの自己調整と、共有のタスクリストで進みます |
使用量 | 低め(結果だけがメインの会話に返ってきます) | 高め(部下1人ずつが別のAIとして動きます) |
本記事の実例(調査役と検証役)も、この機能を使えば2人が直接やり取りして進む形にできるかもしれません。
弊社で実際に使ってみて分かったこと
2026年6月9日、弊社のAI社員(専門のAI担当)の役割が重なっている所を直すために、この公式機能を使いました。「案を出す役」と「それに反論する役」の2人を組ませています。
- 反論する役は妥協せず、案の抜けを3点突き返してきて、4組の役割の分け方で合意できました
- 2人が同じファイルを同時に書いて、書き直しが堂々巡りになりました。リーダー役のAIが裁定して、最終の指示を出す必要がありました
- 案を出す役が、反論を待たずに先へ進んでしまうこともありました
2026年6月17日、複数の画面でClaude Codeを同時に動かすと、頼んでいない相づちや別の作業の返事が混ざる不具合が出ました。原因はこの機能の設定で、外したら収まり、今は外しています。
やってみてわかった2つのコツ
1. 「チェック役」は必ず別の頭にする
これが一番大事です。
同じAIに「自分の答えを見直して」と頼んでも、思い込みは消えません。役割も頭も別のAIに、独立して確かめさせる。
2. 最終判断は、やはり人間に
AIチームは、間違いを「見つけて報告」までしてくれます。
でも、「結局どう直すか」を決めるのは人間です。弊社の例でも、誤りを見つけたのはAIチームですが、「どう修正して、どう発表するか」は私が決めました。AIが8割、人間が2割。前回もお伝えしましたが、このバランスが一番うまく回ります。
エージェントチームを組むのに必要なもの
- Claude Code:Claudeの有料プラン(Proプランなら20ドル=約3,200円/月)で使えます
前回のサブエージェントと、必要なものは変わりません。
追加で必要なのは「段取りを考える力」のみです。これも、人間のチームをまとめるのと同じスキルなので、経営者の方はわりと得意な分野だと思います。
よくある質問
Q. エージェントチームとは?
A. 役割の違うAIを何人か組ませて、成果を受け渡しながら1つの仕事を仕上げる方法です。たとえば「調査役」が集めた数字を、別の「検証役」が確かめます。
Q. エージェントチームとサブエージェントの違いは何ですか?
A. 仕事の進め方が違います。サブエージェントは1人に頼んで結果を受け取り、エージェントチームは担当どうしが成果を受け渡しながら進めます。
Q. Claudeで役割分担させるには、どう頼みますか?
A. 「調査役に集めさせて、その結果を検証役に独立して確かめさせて」のように、誰に何をやらせて結果を次に誰へ渡すかを言葉で頼みます。プログラミングは要りません。
Q. Claude Codeの公式の「エージェントチーム」機能は、すぐ使えますか?
A. はい、設定を1つ入れれば使えます。実験的な機能で初めは無効なので、設定ファイルにCLAUDE_CODE_EXPERIMENTAL_AGENT_TEAMSを"1"で入れます。言葉で頼む組み方なら、この設定は要りません。
Q. エージェントチームは、使う量が増えますか?
A. はい。部下1人ずつが別のAIとして動くので、人数が増えるほど、使える量の上限に早く届きます。Claude Codeは、Claudeの有料プラン(Proなら月20ドル)で使えます。
まとめ
エージェントチームは、役割の違うAIを組ませて、お互いの成果を受け渡しながら1つの仕事を仕上げるやり方です。サブエージェントが「1人で完結する部下」なら、エージェントチームは「連携するチーム」。とくにチェック役を別の頭にするだけで、1人では届かない質に届きます。
弊社も、自社サイトの誤りをこの方法で見つけられました。1人のAIでは流していたであろうミスを、チームで拾えた。これがAI同士を連携させる一番のうまみだと思っています。
次回(第3回・最終回)は、こうしたAIチームを指揮・自動制御する「オーケストレーション」の話をします。チームを毎回手で指示するのではなく、「この仕事はこの順番で、ここは並列で」と段取りごと自動で回す仕組みです。
AIチームの組み方で迷っている方は、お気軽にご相談ください。弊社の実体験をベースに、あなたの業務に合った形を一緒に考えます。







