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この記事の著者
後藤 佑輔
IGS代表大和証券、
おはようございます。代表の後藤です。
AI社員に仕事を任せるようになると、ある不安が出てきます。
「ちゃんとルールを守ってくれてる?」
「勝手に変なことをしていない?」
で、この不安に対する答えが2段階あることに気づきました。
1つ目は「ルールを文章で書いて読んでもらう」こと。
Claude CodeにはCLAUDE.mdというファイルがあって、そこに「これはやらないで」「これはやって」と書いておけば、AIはそれを読んで動いてくれます。
ただ、これには限界があります。
人間の新人社員と同じで、「読んだはずなのに守られなかった」ということが起きます。
2つ目が、今回紹介する「hooks」です。
hooksとは?「検問」を置く仕組み
「hooks」を一言で言うと、AIが何かを操作する前後に、自動でチェックが走る仕組みです。
イメージは「検問」です。
もし車の走行中に「検問」があった場合、必ず止まって確認されますよね。
hooksは、まさにこれです。AIが操作しようとした瞬間に「待った」をかけて、条件を満たしていなければ物理的にその操作を止める。
CLAUDE.mdとhooksの違い

人間の会社に例えるなら、「社内規定に書く」と「そもそも操作ができない設定にする」の違いです。
hooksは後者の考え方です。
CLAUDE.mdについてはこちらの記事で詳しく書いています。
弊社で実際に起きた事故と、対策のhooks
弊社では現在、53本のhooksが動いています。2026年10月15日に数えた実測です。それぞれに理由があります。事故があって、対策を入れた。その積み重ねです。
・質問しただけなのに、勝手に作業が始まった
私が「これって〇〇で合ってる?」と確認のつもりで質問したら、AIが「調査します」と言って、勝手に動くことがありました。
私は質問しただけで、作業してほしいとは言っていない。でも「?」がついていると、AIは「調べろということだ」と解釈してしまうことがあります。
対策として入れたのが「質問ガード」のhookです。
「?」付きのメッセージに対して、AIは回答だけを返す。ファイルを触る・作業するという操作は自動でブロックされます。「進めて」「やって」など明示的な言葉があった時だけ解除される。これを入れてから、「答えを聞きたかっただけなのに」という誤解がなくなりました。
・間違えてもファイルを戻せるように「削除禁止」
AIに「古いファイルを片付けて」と頼んだ時、削除してしまうと取り返しがつきません。
弊社ではファイルの削除コマンドを全面ブロックしています。AIができるのは「移動」だけ。間違えても、移動先に行けば必ず見つかります。
・APIキーが画面に出る操作を禁止
パスワードやAPIキーを入れたファイルを、画面に表示するコマンドをAIが実行しようとすることがあります。
この対策として、秘密情報のファイルをそのまま表示するコマンドは、hookで全てブロックされます。
・古いメモで「止まってます」と誤報した事故
AIが過去の記録を参照して、「このプロジェクトは止まったままです」と報告してきたことがありました。実際は動いていた。古い記録を最新情報として信じてしまっていたんです。
対策として入れたのが「実機確認強制」のhookです。
プロジェクトの進捗や状態について何か口にする前に、必ず最新の実物データ(GitHubのPR一覧、実際のログなど)を確認させます。古い記録だけを根拠に断言できない仕組みにしています。
・「諦め提案」をブロック
もう1つ、意外と効いているhookが「逃げ道の提案禁止」です。
行き詰まった時に「保留にしましょう」「別の企画に切り替えましょう」という楽な選択肢を、AIが出せないようにしています。代わりに「次に試す具体策」を出させる。
AIコンサルティング
この記事の仕組みを、
hookの作り方の考え方
・非エンジニアでも作れる理由
hookは小さなプログラム(スクリプト)で動きます。
でも、私がコードを書いているわけではありません。「こういうルールで物理的に止めるhookを作って」と日本語でAIに頼むと、AIがスクリプトを書いてくれます。
・作るときの手順
- Claude Codeに、止めたいことを日本語で頼む
- Claude Codeの入力欄に「/hooks」と入力して、作ったhookが一覧に出ているか確かめる
- 失敗しても困らない試し用のファイルで、止めたい操作を頼んで本当に止まるか試す
・「ブロック型」と「警告型」の使い分け
hookには2種類あります。
・ブロック型:ルール違反の操作を止める。「それはできない」で終わる。
・警告型:注意だけ出して、操作自体は通す。AIが注意のメッセージを受け取ったうえで続ける。
全部ブロックにすると、AIが何もできなくなります。「物理的に止めるべきこと」と「警告で十分なこと」を使い分けるのがポイントです。
弊社の例だと、削除・秘密情報の表示・課金APIはブロック型。
弊社では、会話が長くなりすぎた時に区切りを提案するよう知らせる、といった軽いものは警告型です。
ルールを決めるのは人間。hooksはそれを忘れない仕組み
ルールを決めるのは自分(人間)です。
「何を禁止するか」「何を必ず確認させるか」は、全て私が経験をもとに決めています。hooksは、その決定を毎回忘れずに実行するための仕組みです。
AIが8割、人間が2割。AIに任せる部分を増やすほど、「人間が決めた基準」を守らせる仕組みが重要になります。hooksはその柱です。
弊社がClaude Codeでどんな仕事をAI社員に任せているかは、こちらの記事で紹介しています。
まとめ
hooksは、Claude Codeの公式機能です。
「AIに任せて、勝手なことをしない保証はあるの?」という問いへの答えが、hooksです。
AI社員の運用で気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
弊社の実体験をもとに、あなたの業務に合った形を一緒に考えます。
よくある質問
Q. AIの「hooks」とは何ですか?
A. Claude Codeが何かを操作する前後に、自動でチェックが走る仕組みです。ルール違反の操作を、AIの判断に任せず止めたり、注意を出したりできます。
Q. hooksで、どんな操作を止められますか?
A. ファイルの削除、秘密情報(パスワードなど)の画面表示、課金が発生するAPIの実行など、止めたい操作を自分で決めて止められます。弊社では、質問しただけなのに作業が始まる、という動きも止めています。
Q. hooksは、操作を止めるだけですか?
A. いいえ。操作を止める「ブロック型」と、注意だけ出して操作は通す「警告型」の2種類があります。全部ブロックにするとAIが何もできなくなるので、物理的に止めるべきことと警告で足りることを使い分けます。
Q. hooksはどこで設定して、入っているかをどう確かめますか?
A. Claude Codeの設定ファイル(settings.json)に書きます。止めたい内容を日本語で頼めば、書く作業はAIがやってくれます。入っているかは、Claude Codeの入力欄に「/hooks」と入力すると一覧で見られます。
Q. CLAUDE.mdとhooksは、何が違いますか?
A. CLAUDE.mdはルールを文章で書いて読んでもらう場所で、読み飛ばしや忘れが起きることがあります。hooksは違反する操作を仕組みで止める場所です。どちらも必要で、CLAUDE.md、絶対に守らせたいルールを物理化するのがhooksです。







