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AIエージェント(AI社員)24人分を作る前に設計した4つのこと~1人社長が自身で作って学んだ判断基準~

AIエージェント(AI社員)24人分を作る前に設計した4つのこと~1人社長が自身で作って学んだ判断基準~
後藤 佑輔

この記事を書いた人

後藤 佑輔

IGS代表

大和証券・アクセンチュアを経て、2023年にIGSを設立。Claude Codeで自社業務の多くを自動化し、AI事業開発を行っている。

代表の後藤です。

弊社ではこれまで、Claude CodeでAIエージェント(AI社員)を作ってきました。今は12部署・24名という体制で動いています。

しかし、実際に何体も作ってみて、気づいたことがあります。

AIエージェントは、「作る前に何を決めたか」によって、ほとんど成否が決まる

つまり、設計の話です。

今回は、弊社が24名分を作る中で実際にぶつかった話をもとに、作る前に決めておいた方がいいことを4つにまとめます。技術の話ではなく、経営者としての判断の話です。

「人とAI」それぞれ何をどこまで担当するのか

最初に決めたのは、「線引きの基準」です。

事業戦略の議論もAI社員にやらせています。市場や自社の数字を調べさせ、そこから選択肢を出させ、優先順位をつけさせる

それだけでなく、出てきた案に対して「本当にそれでいいのか」と私の判断基準に照らして反論させる仕組みもあります。

その代わり、私(人)が握るのは最終的な決定だけです。

特に、

  • 価格設定
  • 投資・撤退
  • 課金・公開・削除

などの、後から取り消せない重要な意思決定は、必ず人間である私の承認を経てから実行する。

組織を作り直すとき、最初にこの線を引きました。

上記は当然のように感じられるかもしれませんが、AI活用に慣れてくると「AIに判断を任せがち」になってしまうので、ここだけは確実に握るよう気を付けましょう。

任せる仕事と握る仕事の線引きは、こちらの記事で詳しくまとめています。

②「各AI社員が何をどこまで担当するのか

AIと人間の線引きが決まったら、次はそれぞれのAI社員と人間の「線引き」を決めます。

具体的には、AI社員に職務内容を明示(ファイルに記載)するのですが、タスクの箇条書きでは書きません

ではどうするのか?それは、

「こういう課題には、こう考えて対応する」という2〜3行の判断基準

で書きます。

タスクの箇条書きのように細かく列挙すると、「書いていないことは一切やらない」という硬直したAI社員になるからです。

例えば、経理担当のAI社員には、「書き換えが必要な処理が出てきたら、実行せず私に判断を戻す(エスカレーションする)」と定義しています。お金や資金繰りに関わる場面は、実行せず人に戻す。この境界を先に決めておくことが、次の権限の設計にもそのままつながります。

③ミスを防ぐ「権限」と、ミスに気づく「検知」の仕組み

各AI社員の担当が決まったら、次にやることは2つです。

  • そもそもミスをさせない
  • ミスが起きたときに気づけるようにする

どちらも、何か起きてから塞いでいては間に合わないので、事前に決めておきます。

まず、ミスをさせない方から。

お金や機密情報を扱う業務」は、他より権限を厳しく絞ります。

例えば、経理担当のAI社員に会計ソフトのfreeeをつないだ時の話。

事前に気づくことができなかったのですが、書き込みや削除まで届く作りになっていました。すぐに「読み取り専用。書き込みと削除は禁止」と職務内容に書き足しました。

この制限は今もそのまま入っています。

次に、ミスに気づく方です。

いくら権限を厳しく絞って、ミスを防ごうとしても、それだけでは足りません。

なぜなら、

AIは自分の失敗を自分から報告しない
報告してきても、それが正しいとは限らない

という特性を持っているから。

なので、人が見て気づくことに頼らず、機械が検知する仕組みを先に作ります。

弊社では下記3つの仕組みがあります。

  • 作業の区切りごとに、やった内容を自動でチェックしてから次に進める
  • 削除や公開など、取り返しのつかない操作は、人の許可なしにできないようにする
  • 後から追いかけられる記録を残す

なぜここまでやるのか。弊社で実際に起こった話をします。

AIが更新した記事を、私が同じタイミングで管理画面から編集して保存してしまい、2つの編集がぶつかって、AIの更新のほうが消えたことがありました。気づけたのは、たまたま私がその瞬間に画面を見ていたからです。

気づけるかどうかを運任せにせず、きちんと仕組み化をする

業務をAI任せにするのではなく、人間側で仕組み化をして「手綱を握る」ことが重要です。

④「AI社員を動かす順序を決める

設計ができても、いきなり全部を動かしません。

まずは「テスト用のAI社員を1体だけ」作り、既存の仕組みが壊れないかを確認します。それから本番の24体に進みます。

本番投入後も、24体全部を一度に動かしたわけではありません。

最初は経営企画・コンテンツ・データ分析の3体だけを実際に呼び出し、「自分は誰で、どの部署で、何をする担当か」を正しく実行できるかを確認しました。

「1体目に何をやらせるか」は、失敗した時の被害の大きさを決めます。会社のメイン業務や、お金・機密情報が絡む仕事から始めるのは避けた方がいいです。

AI活用や業務改善について、お気軽にご相談ください

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最後に

ここまで書いた4つは、それぞれ独立した決め事に見えるかもしれません。

しかし実際には、すべて1枚の全体設計の一部でしかありません。

作ってから直すのではなく、作る前に「設計図」を描く

それが、24人分作ってみて一番効いたことです。作り方そのものは、別記事でまとめています。

この設計図を先に決めてから読むと、迷う部分がかなり減るはずです。

AI社員を作る前に、組織全体の設計をどう描けばいいか整理したい方は、お気軽にご相談ください。弊社の実例をもとに一緒に考えます。

FAQ

Q. AIエージェントとAI社員は同じ意味ですか?

A. 弊社では同じ意味で使っています。Claude Codeで作るサブエージェントを、実際の職務に見立てて「AI社員」と呼んでいます。

Q. 4つのうち、最初に決めるべきはどれですか?

A. ①人とAI、それぞれに何をどこまで任せるのか「線引き」することです。ここが曖昧なままだと、AI社員を効率的に動かすことができません。

Q. この4つの設計は誰が決めるものですか?

A. 経営者本人です。技術者でなくても、何を任せて何を握るかは経営判断なので、代わりに決めてもらうものではありません。AIと壁打ちしながら進めることもできます。

Q. すでにAIツールを使っている場合でも必要ですか?

A. 必要です。単発のツール利用でも、任せる範囲や失敗に気づく仕組みを決めていないと、気づかないうちに任せすぎている状態になりがちです。

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