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大手企業のSNS運用は、投稿前に何をするのか|アカウント設計7ステップ

大手企業のSNS運用は、投稿前に何をするのか|アカウント設計7ステップ
後藤 佑輔

この記事を書いた人

後藤 佑輔

IGS代表

大和証券・アクセンチュアを経て、2023年にIGSを設立。Claude Codeで自社業務の多くを自動化し、AI事業開発を行っている。

こんにちは、代表の後藤です。

事業をしていると、「SNSをやらなければ!」と思う方も多いと思います。

しかし、その後「なにから始めればよいか分からない」という思考になると思います。

例えば、よくあるのが「1本目に何を投稿すればよいのか」という議論から始めるパターンですが、これは正直言って本質的ではありません。

では、なにから始めるのか?

私は上場企業をはじめとした「大手企業のSNS運用」を支援していましたが、その答えは明確です。

それは、

アカウントの運用戦略策定

です。

言い換えると、「このアカウントはターゲットは誰で、どのような効果を期待していて、そのためにどのような戦略とするのか」を決めることです。

このアカウントの設計は、各企業や案件ごとに全部違います。

ターゲットも、勝ち方も、毎回ゼロから考え直す必要があります。

当然、戦略の使いまわしなどできません。

このように、一見難しそうに見える「アカウント設計」ですが、実は「設計の型」というものが決まっていて、これだけは毎回同じでした。

具体で言うと、投稿前に決めていたのは「この7つ」です。

  1. 現状の整理
  2. 目的とターゲットの選定
  3. 競合アカウントの分析
  4. アカウントの設計
  5. 投稿の企画立案
  6. 運用体制の構築
  7. KPI(数字の目標)の策定
大手企業が投稿の前に決めている7ステップ(現状整理→目的とターゲット→競合分析→アカウント設計→投稿企画→運用体制→KPI)の流れ図

今日は、この7つにおいて、

  • それぞれ何を基準に決めるのか
  • この段階を飛ばすと後で何が起きるか

まで、分かりやすくお伝えします。

なお、この7つを業種に合わせて自動で組み立てるツールも無料で公開しています。

完成形を先に見たい方はSNSはじめるくんにて。

ステップ①:現状の整理

まず最初にやるのは、現状の整理です。

すでにアカウントがあるなら、現時点での

  • フォロワー数
  • 投稿数
  • 直近3か月で何本出せているか
  • いちばん反応が良かった投稿はどれか

などを洗い出すところから開始します。

これからアカウントを開設するのであれば、このステップ①は飛ばしてOKです。

ここで大事なのは、「具体的な数字で書く」ことです。

数字を明確にしておけば、数か月後に効果が出たのが明らかに分かりますし、「その成果が出たのは○○という施策を行ったから」などが具体で分かります。

逆に、現時点で「数字には残せないが、上手くいっていないと思う理由」も、なるべく言語化して残しておきましょう。

  • 何を投稿すればいいか分からない
  • フォロワーが増えない
  • 投稿する時間がない
  • 写真や動画の撮影が苦手
  • 他社と差別化できていない

このような課題は、たいてい一つではなく複数出てくるはずです。

今後、全部洗い出したうえで、優先順位を決めて打ち手を検討していきます。なので、ここで漏れなく課題を洗い出していないと、後の設計がうまくいきません。

ステップ②:目的とターゲットの選定

現状が整理出来たら、次は「目的とターゲット」を決めます。

一番大事な点であるにも関わらず、最も飛ばされがちなステップです。

ターゲット

年代や性別だけでなく、その人が今何に困っているかまで具体的に記載します。

例を挙げます。

飲食店であれば、

仕事帰りに一人でも入りやすい飲食店を探している、渋谷周辺で働く20〜30代女性

クリニックであれば、

繰り返す肌荒れに悩み、通いやすい皮膚科を探している○○駅周辺の30〜40代女性

のイメージです。

目的

運用の目的を整理します。よくある目的は下記のとおりです。

  • 認知拡大
  • 集客・来店促進
  • EC・オンライン販売
  • 問い合わせ獲得
  • 採用
  • ブランディング
  • リピーター獲得
  • コミュニティ形成

複数あって構いませんが、選んだものは全部書き出して固定します。

目的が変われば、同じ会社でも作る投稿は別物になります。

採用が目的なら人が写ることが多いし、集客(来店)が目的なら商品や店舗が写ることが多い。

ここが言語化できていないと、投稿を作るたびに判断基準がぶれるので、最初に決めるのが重要です。

ステップ③:競合アカウントの分析

「目的とターゲット」を選定したら、次は「上手くいっている競合アカウントを分析」します。

上手くいっているアカウントを参考にすることは、「再現性」という面において、最も重要といっても過言ではありません。

ここで大事なのは、「自社の業界に近いアカウント」「フォロワー数などの規模が近いアカウント/最近伸びているアカウント」を両方見ることです。

自社の業界に近いアカウント」は、教科書として参考にしやすい反面、その業界の多くのアカウントが参考にしている可能性が高いので、差別化しづらくなってしまう可能性が高いです。

一方、業界が近いアカウントだけではなく、「業界は違うけれどもフォロワー数などの規模が近いアカウント」を見ると、業界にとらわれない幅広い戦略を知ることができます。

その戦略を知ったうえで、自社の予算規模やチーム体制で行うことができる施策に絞ることで、本当に現実味のある戦略を考えることが可能になります。

ステップ④:アカウントの設計

「競合アカウントの分析」ができたら、ようやく「アカウントの方針をどうするのか」を検討します。

具体的には、

  • プロフィール文
  • アイコン
  • トンマナ
  • 話し方のトーン
  • ハイライトの構成

のようなものを具体でどうするのか、を決めます。

プロフィール文(Instagramの自己紹介欄)

ここは150字しか書くことができないので、構成が非常に重要です。

よって、その中に入れるのは3つに限定します。

  1. 価値提案:ターゲットはだれで、その人に向け何を提供しているのか
  2. 実績・権威性:あなたをフォローする価値があるか
  3. 行動喚起:あなたのアカウントを見た人が、次に何をしてほしいか(予約・DM・リンクなど)

とくに1行目が重要です。

例えば、飲食店なら、

渋谷駅徒歩3分|仕事帰りに立ち寄れる炭火焼き鳥店

クリニックなら、

横浜駅徒歩3分|皮膚科専門医による地域のかかりつけクリニック

というように、1行目で「誰向けの何屋か」が分かるようにします。

プロフィールは、自社の言いたいことを書く場所ではなく、相手が知りたいことを書く場所なのです。

ハイライト(プロフィール文の下に丸く並んでいる、24時間で消えるストーリーズの保存枠)

もうひとつ重要なのが、このハイライトです。

プロフィールに来た人の目線の動きは、

  1. プロフィール文を読む
  2. ハイライトを見る
  3. プロフィールフィードを見る
  4. フォローを判断する

の順に進みます。

ハイライトは、フィードを見に行く前の導線上にあり、フォローや予約を決めるための重要な要素です。 ここが薄いと、プロフィール文で決めた行動」に移してもらうことができません。

  • 自己紹介
  • 料金・メニュー
  • お客様の声
  • 実績
  • よくある質問
  • アクセス
  • 問い合わせ・予約方法

この並びを用意しておくと、初めて来た人が知りたい順にみることができます。

考え方は、「会社やお店のWebサイト」と同じです。

必要なページを見てほしい優先順位などを決めて構成すると思いますが、迷ったらこの考え方に立ち返りましょう。

ステップ⑤:投稿の企画立案

「アカウントの方針」が決まったら、次は「投稿の方針」を固めます。

ただし、いきなり1本ずつ企画を考えるわけではありません。

先に決めるのは、「年間のスケジュールに沿った投稿ネタの洗い出し」です。各月のテーマになるキーワードをいくつか出していき、その中からどの企画を採用するのかを決定します。

例えば、採用目的のアカウントであれば

4月:会社説明会・書類選考スタート

5月:「求める人物像、面接で見ているポイント」などの面接対策

6月:採用選考の本格化(選考の流れ、職種ごとの仕事内容、入社後のキャリア)

7月:夏季インターンシップの応募概要

8月:夏季インターンシップの当日の様子

9月:インターン参加者のインタビュー、参加社員紹介

10月:内定者紹介(なぜこの会社をエントリーしようと思ったのか)

11月:昨年の冬季インターンシップの様子

12月:本格的な就活開始に向けた「業界研究」や「企業研究」のサポート

1月:自己分析の方法、先輩社員の「就活どうだった?」インタビュー

2月:業界における「当社の違い・強み」はなんだ?

3月:採用情報の公開・エントリー促進

のような粒度のイメージです。

このように、年間スケジュールに沿ったテーマが先に固まっていると、「来月どうしよう」がなくなり、戦略的な運用を行うことができます。

このようにテーマを先行して決めておけば、次に「フィード/リール/ストーリーズそれぞれどのような投稿が良いのか」を決めることができます。「認知」が目的なのか、「保存」が目的なのか、「ファン化」が目的なのか、「プロフィール遷移」が目的なのか、その目的ごとに投稿種別を決めていきます。

行き当たりばったりの投稿は、運用分析で「どうして効果があったのか」が分からず、次の投稿につなげることができないので、戦略的に投稿企画を考えましょう。

AI活用や業務改善について、お気軽にご相談ください

ステップ⑥:運用体制の構築

投稿の企画」が決まったら、ついに運用開始に必要な「運用体制」を構築します。

具体的には、「どのようなチーム体制とするのか」や「誰がどのような役割を担うのか」を決め、それぞれのタスクを洗い出して、日程に落とし込んでいきます

ここでよくある勘違いは、「投稿日だけカレンダーで決めておく」というものがありますが、投稿はボタンを押すだけなので、実際に決めておくべきことは「その手前の企画と制作のほう」ということを念頭に入れておきましょう。

よくある運用体制でのスケジュールは、下記の通りです。

  • 月初:前月の振り返り
    投稿ごとの数値を確認し、最も反応の良かった投稿と、その要因を整理します。
  • 月初2〜3日目:当月の企画決定
    年間スケジュールと前月の結果をもとに、当月に投稿する企画を本決定します。
  • 第1週:撮影内容の準備
    各企画の構成、必要な写真・動画、撮影場所、出演者などを整理します。
  • 第2週:写真・動画のまとめ撮影
    撮影日を1日設け、当月分の投稿素材をまとめて撮影します。
  • 撮影後3日以内:投稿の制作
    写真・動画の編集、キャプションの作成、ハッシュタグの選定を行い、投稿を完成させます。
  • 月中:月後半分の予約投稿
    完成した投稿を確認し、月後半に公開する投稿の日時を設定します。
  • 毎週:数値の確認
    週1回、15分程度でリーチ数や保存数、プロフィールへのアクセス数などを確認します。
  • 月末:翌月の準備
    年間スケジュールを確認し、翌月に扱う投稿テーマや企画案を3本程度メモします。

この流れを毎月繰り返すことで、投稿直前に企画や撮影に追われることなく、計画的に運用を進められます。

押さえてほしいポイントは、

「前月の振り返りから始めること」と「撮影・制作をまとめて進めること」

です。

まず反応の良かった投稿とその理由を確認し、その結果をもとに当月の企画を決めることで、感覚だけに頼らず投稿の精度を高められます

また、写真や動画は投稿のたびに撮るのではなく、「撮影日を1日設けてまとめて用意」します。

撮影後は3日以内を目安に、編集・キャプション作成・ハッシュタグ選定まで終わらせ、公開日時もあらかじめ設定しておきます。事前に終えられる作業は、まとめて済ませておくのが効率的です。

この流れが曖昧なまま運用を始めると、企画や撮影がその場しのぎになり、数週間で更新が止まりやすくなります。

SNSを継続できない主な原因は、センスや予算ではなく、無理なく回せる運用の仕組みがないことです。企画や文章作成など、人手が足りない部分をAIで補う方法は、こちらの記事にまとめています。

ステップ⑦:KPIの策定

運用体制を構築したら、最後は「KPIの策定(何をもって成功とするかの決定)」をします。

よくあるのが「フォロワー数だけを目標に置く」という決め方ですが、多くの場合はフォロワーを増やすことが目的ではなく、売上を増やしたり、商品を認知したり、優秀な人材を採用することの方が多いはずなので、お勧めはできません。

では何で見るべきなのか?

それは、

  • エンゲージメント:どれだけ「いいね」や「保存」や「シェア」などのアクションを獲得したのか
  • インプレッション:どれくらいこのアカウントや投稿が見られたのか
  • プロフィール遷移:どれくらい投稿を見た人が、あなたのプロフィールに訪れたのか
  • フォロー:新規フォロー数
  • リンククリック:どれくらい「あなたのプロフィールに追加しているURL」をクリックしたか

この5つです。

実は、この5つは一つの流れになっています。

  1. 投稿のエンゲージメントが良い(「いいね」や「保存」などのアクションをたくさん獲得する)
  2. 投稿が拡散され、多くのインプレッションを獲得(たくさんの人があなたの投稿を見る)
  3. その投稿を見た人が、あなたのプロフィールを見に行く
  4. あなたのプロフィールに訪れた人が、プロフィール文やフィードを確認してフォローするか決める
  5. フォローした人が、あなたのストーリーズなどを定期的に見てファンとなりURLをクリックする

この流れを知っておけば、どこに歩留まりがあるのかを理解することになり、「投稿のクオリティを変えたほうが良いのか」や「アカウントの世界観を変えたほうが良いのか」など、どこを修正すればよいのかが分かります。

数字を毎月まとめる作業そのものを自動化した話は、この記事で書いています。

どうしても7ステップ順に進めない場合

本来であれば、上から順に7のステップを埋めていくのが理想です。

ただし、本業の合間を見つけてこれらを行ったり、SNSの知識自体が不足している場合、この流れ通りに行かないケースは多いと思います。

それくらい、SNS運用というものは難しいものです。

ではその場合、まずは何を優先して決めるべきなのか。

それは、「②目的とターゲットの選定」と「⑦KPI策定」の2つです。

なぜかというと、残りの5つは運用しながらでも方向転換をすることは可能です。

ただし、この②と⑦は運用の根幹であるので、これが決まっていないと「そもそも直すべきかどうかの判断」が今後できなくなってしまいます。

逆に言うと、②と⑦さえ決めておけば「何が良くて悪かったのかを自分で判断できる」ようになります。「この投稿バズったのに全然効果がなかったのはなぜだろう?」がなくなります。

それでも上手くいかない場合

②と⑦を優先すべきとはいえ、この7つを一人で決めていくのは相当な手間がかかります。

それもそのはず、大手企業には専任の運用代行チームがいることが多く、インフルエンサーと呼ばれる方は「その方自体がSNSを専業としていてかなり詳しい」ことが多いです。

ただし、多くの中小企業では社長や店舗のスタッフが、本業の合間にやることが多いはずです。

そこで、この7つのステップ順番を「業種に合わせて自動で作れるようにした」のが、弊社のSNSはじめるくんです。

5つの質問に答えると、

  • ①現状の整理
  • ②目的とターゲット(運用戦略)
  • ③お手本にするアカウントの見本
  • ⑤投稿企画3本

までが、登録もクレジットカードも不要で、その場で出てきます。

⑥運用体制と⑦KPIまで含めた全24ページと、投稿ネタ30本は、2,980円の買い切りでご用意しています。月額費用はかかりません。

この記事で書いてきた基準は、そのまま中に入っています。

私は大手企業を担当することが多かったのですが、中小企業では運用代行を外注出来ないケースが多く王道のノウハウがないまま自己流で運用していることが多いと気づきました。

それでは、大手企業の運用と同じクオリティの設計を「どの企業でも活用できるにはどうすればいいのか?」と考えた結果、このツールを開発しました。手間だけ省いて誰でも作れるように、という発想で作りました

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自社のSNSをどこから設計すればいいか迷っている方は、お気軽にご相談ください

弊社が現場でやってきた設計をもとに、一緒に考えます。雑談レベルで構いません。

FAQ

Q. すでに運用しているアカウントでも、この7つはやり直せますか?

A. やり直せます。むしろ投稿が溜まっている分、「①現状の整理」は具体的にできます。反応が良かった投稿を並べると、「②目的とターゲットの選定」の当たりもつきやすくなります。

Q. 競合アカウントは何個くらいリサーチすればいいですか?

A. リサーチする数は多い方が良いですが、その種類は「自社の業界に近いアカウントフォロワー数などの規模が近いアカウント/最近伸びているアカウント」を参考にしましょう。数を増やすより、なぜ伸びているのかを1件ずつ言葉にするほうが効果的です。

Q. InstagramやX、TikTokなどすべて始めたほうがいいですか?

A. 最初は1つに絞ることをおすすめします。「②目的とターゲットの選定」が決まっていれば、どちらが向いているかはほぼ自動的に決まります。両方に手を出すと、先に「⑥運用体制の構築」が難しく、すべて中途半端な効果しか出ないことも多いです。

Q. 担当が自分一人でも、大手と同じように設計できますか?

A. 順番さえ守れば、設計そのものは一人でもできます。時間と手間はかかるので、そこを短くするためにSNSはじめるくんを無料で公開しています。

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大和証券・アクセンチュアを経て、2023年にIGSを設立。Claude Codeで自社業務の多くを自動化し、AI事業開発を行っている。

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